博物館
ならまち糞虫館はどんなところ?
シゼンノ編集部
今回取材したのは、ならまち糞虫館。
ならまち糞虫館については以前本サイトにおいて、創業者である中村館長の半生とともに開館の経緯を綴った『フン虫に夢中』という書籍を紹介したことがある。
ただし、その書籍に記されているのは2019年頃までの話だ。
今回は中村館長に直接お話を伺って、より深くならまち糞虫館の現在を探ってみた。
(取材日:2022年6月19日)
ならまち糞虫館はどんなところ?
ならまち糞虫館は奈良公園から徒歩10分少々、住宅街の奥まった一角で土曜・日曜のみ開館している。なぜ土日のみの開館かといえば、平日は中村館長が経営コンサルタントとして仕事をしているからだ。
設立に当たっては市の補助金を受けつつも、中村館長が身銭を切って古い民家を大幅にリフォームした、全くの個人経営の博物館である。
設立も運営も、中村館長が運営資金を個人で捻出して存続させている館であるというそれだけでも、中村館長の熱意が想像できよう。
が、今回の取材で中村館長にお会いした第一印象は、そのような熱意を表に出すタイプではなく、非常に飄々としているというものだった。剛ではなく柔の人なのかもしれない。
後編ではこの中村館長に伺ったお話をインタビュー形式で掲載する予定だが、今回はまず、ならまち糞虫館を詳しく紹介するところから始めたい。
館内はこんな感じ
ならまち糞虫館は民家をリフォームしたものであることは先にも触れたが、入口は民家の玄関という作りではなく、入りやすい雰囲気だ。
入口を入ると、靴を脱いでスリッパに履き替えて展示室に入る。
玄関の真正面には2階に上がる階段があるが、2階は事務所(コロナ前にはセミナーなども行われていたそうだ)なのでSTAFF ONLY。(お話はこの2階事務所で伺った。)
1階が展示スペースとなっており、2部屋に分かれている。
そのいずれの部屋も入口の壁は取り払われており、非常に開放的な空間になっている。
1つ目の展示スペースは、博物館というよりもアートギャラリーのような雰囲気だ。
展示ケース無しで、球体に刺さったピンの先に美しいフン虫たちが展示されている。
この展示方法のおかげで、かなり間近で標本を観察できるのがありがたい。(もちろん、お触りはNG。)
2つ目の展示スペースは、しっかりと展示ケースに入ったフン虫たちが整然と展示されており、博物館としての雰囲気が強くなる。
こちらには、『フン虫に夢中』にも登場するエピソードである、中村館長がフン虫にハマるきっかけとなったかつての同級生・石田清さん(現・弘前大学教授)から寄贈されたヒメコブスジコガネも展示されている。
館ではオリジナルグッズも展開されており、奈良公園に生息するフン虫を網羅的に載せたクリアファイルは特に必見だ。(ならまち糞虫館公式HP:グッズ紹介のページ))
写真は、オリジナルTシャツを来た中村館長。
館長が着用しているのがフロントにプリントがあるタイプで、手に持っているのがバックプリントになっているタイプ。
さて、次回はいよいよ中村館長のインタビュー記事。
館に込めた思いを伺っていきたい。
(後編へ)